安倍政権の反基地運動潰し糾弾!
山城氏ら即時釈放の闘いを全国に拡げよう


 沖縄の米軍基地反対運動のリーダー山城博治氏(沖縄平和運動センター議長)が不当に逮捕・起訴され、長期間勾留されている事態に対して被告側が早期の保釈を求めていた裁判で、二月二十日、最高裁は、被告側の特別抗告を棄却し、保釈を認めない判断を確定させた。山城氏たちの逮捕・長期勾留(昨年十月十七日の逮捕からすでに四か月以上が経過)は、安倍政権が沖縄の反基地運動を潰すために行なった露骨な政治弾圧にほかならない。今回、司法(最高裁)が安倍たちの仕組んだ暴虐に追随・加担したことをわれわれは断固糾弾する。
 最高裁の決定を受け、山城議長の弁護人である池宮城紀夫弁護士は、「人権の最後の砦である最高裁が問答無用で不当な決定を下した。長期勾留は基本的人権の侵害だ」と抗議し、今後は別の方法で保釈を求めていくと語った。地元紙『琉球新報』も「『人権の砦』としての司法の役割を自ら放棄したに等しい」と最高裁をきびしく批判した。
 沖縄では、直ちに抗議の行動が展開された。二月二十四日には、那覇市の城岳公園(那覇地裁前)で、「山城博治さんたち即時釈放を求める大集会」が実行委員会主催で開催され、緊急の呼びかけにもかかわらず約八〇〇名が参加、那覇地裁に向け「仲間をかえせ」「不当弾圧を許すな」などのシュプレヒコールを上げて抗議した(集会の決議文は別掲)。集会後は国際通りなどの繁華街をデモ行進した。
 器物破損等の微罪容疑での逮捕、「逃亡」「証拠隠滅」の恐れなどまったくない中での勾留、山城氏については大病の悪化が懸念されながら家族さえも面会が禁止されている状況等々、今回の逮捕・長期勾留は、いかなる観点から見ても必要性・合理性・人道性を欠いた不当・異常なものだ。この間、山城氏らの早期釈放を求める声は、地元の運動団体だけでなく、刑事法研究者、日本国際法律家協会等の司法関係者、多くの市民運動団体、アムネスティ・インターナショナルなどからも上がっており、署名運動も展開された。しかしまだその動きは、政府に沖縄への露骨な政治弾圧を躊躇させるほどの世論を形成しえてはいない。
 辺野古沖・大浦湾では、海上工事が再開され一〇トンを超えるコンクリートブロックが大量に投入され続けている。こうした動きを阻止するために、現地では陸と海とで抗議行動が続く。キャンプ・シュワブ前では、座り込む市民を機動隊が拘束し、強制排除する暴力行為が連日繰り返されている。一方、海上ではカヌーなどの抗議船が海上保安庁の海猿に妨害され、抗議する市民が冬の海に投げ出される事態も起きている。
 共謀罪導入などの弾圧体制づくり、岩国をはじめとする本土での米軍基地の強化・拡大等々、沖縄のきびしい現実は明日には日本全体の現実となる。問われているのは本土の運動だ。沖縄の闘いに連帯する運動を強めよう! 山城氏ら即時釈放の運動を全国に広げよう! 【編集部】

(『思想運動』997号 2017年3月1日号)