日米軍事同盟の強化と闘おう!
米兵による女性暴行事件糾弾!
宮古・石垣への自衛隊配備に反対しよう


 沖縄県は、翁長知事の辺野古埋立て承認取消しに対する国の「是正の指示」を不服として、国地方係争処理委員会に審査を申し出た。3月23日には和解後初めて協議が行なわれたが、安倍政権は「辺野古が唯一の選択肢」で押し通している。菅官房長官は協議後の会見で、仲井真前知事が辺野古埋立てを承認した際、政府が米国と交渉するとしたはずの普天間基地の五年以内返還も「辺野古への移転が前提だ」と言った。
 「和解」という以上、沖縄の軍事負担をなくす、これ以上基地は造らないという方向でなければならないのは当然だが、安倍政権は「危険性の除去」を後回しにして基地を強化拡大しようとしている。
 唐突ともみえた国の和解勧告受け入れが、民主主義・地方自治を踏みにじったとの批判をかわすための、そして沖縄県民の不屈の抵抗闘争によって遅れている新基地建設を仕切り直すための糊塗策であったことは明らかだ。県民の怒りは噴き出すほかない。
 3月13日、ビジネスホテルの廊下で熟睡する面識のない女性を米兵が自室に運び、暴行するという許しがたい事件が那覇市で発生した。犯人は、日米政府が隣接する海を埋め立て新基地を造ろうとしている名護市辺野古のキャンプ・シュワブの所属だ。事件から1週間後の3月21日、2500人もの人がキャンプ・シュワブ近くに駆けつけ、「米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会」を開催した。
 集会決議文は「繰り返される米兵による凶悪事件に県民の怒りは頂点に達している」とし、米軍撤退と基地撤去を訴えた(別掲)。
 翌22日には、沖縄県議会が事件への抗議決議案と意見書案を全会一致で可決。市町村議会も次々と意見書、決議を採択し、最終的には41市町村のうち25以上になる見込みという(『琉球新報』)。
 沖縄への基地の押しつけは、米軍にとどまらない。3月28日、与那国島では昨年、町を二分して住民投票で賛成が過半数をとった「与那国沿岸監視隊」が、陸自160名で発足した。周辺地域をレーダーなどで監視する。1972年復帰後初めての自衛隊施設の新設であり(『沖縄タイムス』)、自衛隊員と家族254名が人口の15%を占めることになるという。
 奄美大島(550名、鹿児島県)、宮古島(7~800名)には2018年度までに、石垣島(5~600)には19年までに自衛隊警備部隊や地対空・地対艦ミサイル部隊が配備される。米軍とともに戦争する日本の軍隊が常駐するのだ。そしてその根拠には、「中国の軍拡」「南西諸島の軍事的空白」が声高に語られる。
 3月26日、宮古島市・石垣市それぞれで自衛隊反対集会が開催され、代表団が30日に政府防衛省への申入れ行動を行なった( 四面に申入れ書を掲載)。そして、夕方には、東京都内での報告集会も開催され、運動の全国化が目指されている。
 安保法制の強行と足並みを揃えた、自衛隊の国軍化、日米安保体制の強化を許さないたたかいのなかで、沖縄・南西諸島の人たちの直面する具体的な事実と怒りの声を全国で共有し、ともにたたかおう。【日向よう子】

(『思想運動』977号 2016年4月1日号)