戦争法案の強行採決を許すな!
沖縄の闘いとともに平和の道を歩もう


 戦争法案をめぐる情勢が緊迫した段階を迎えている。政府は、衆議院特別委員会での審議を7月13日の中央公聴会後に打ち切り、15日にも与党だけの委員会強行採決、翌16日の本会議採決=衆議院通過の腹をかためた。国会内外で5月26日の審議入り以降、この法案のデタラメさ、論理構造の矛盾が次つぎと暴露され、違憲立法=戦争遂行立法であることは明らかだ。世論調査でも、政府与党の法案の説明が「不十分だ」が81%、「十分だ」が10%。「日数の面でも内容の面でも採決できる環境が整った」(二階政務会長)などと言える審議状況ではまったくない。しかし安倍政権は、6月22日には戦後最長・95日間の会期延長決定という暴挙を強行し、世論の不信・反発を押さえこみ、何としても今国会で成立させようという魂胆だ。官房長官の菅は、「いつまでもダラダラとやっているわけにはいかない」と言い放っている(7月14日)。われわれはこうした安倍自公政権の傍若無人な行ないを断じて許してはならない。この間、戦争法案反対に起つ人びとが増大している。
 横浜で行なわれた5・3憲法集会に3万人、6月24日の戦争させない・九条壊すな! 総がかり行動の国会包囲行動にも3万人が結集。国会周辺では、連日のように座り込み等の抗議行動が展開されているし、全国各地で集会やデモが行なわれている。その一端を挙げれば、
・労働者・労働組合が中心の戦争への道をゆるさない6・23東京集会に2500名。
・日弁連は役員全員一致で法案を違憲とする意見書を採択、全国の弁護士会が地元で集会やデモ、街頭宣伝を展開。
・「安全保障関連法案に反対する学者の会」のアピールには、9000名を超える学者・研究者が賛同。
・学生や若者が各地で反対運動の前面に登場し、7月10日のSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が呼びかけた国会行動には1万5000人が集まった。学生の起ちあがりは重要だ。
 このほか地方議会でも、法案反対や慎重審議を求める意見書が続々と採択されている。
 われわれはこうした動きの根底に、安倍らの言う「『取り戻す日本』のなかに沖縄は入っているのか」と痛烈に批判し、戦争政策には決して手を貸さないという、沖縄県民の徹底した反戦・反基地の声が鳴り響いていると考えている。
 しかし、こうした動きに対してすら安倍政権は、「全く問題ない」といった態度をとっている。それはかれらが職場生産点、教育現場、マスメディアをおおむね盤石に支配し、抑え込んでいるという自信からくるものに他ならない。
 いま、わたしたちは力の限りに戦争法案成立に抗しながらも、この冷厳な彼我の根本的な力関係を見据えないわけにいかない。そこにこそ、闘いの展望も希望も見出すことができる、と考える。
 「負けない秘訣はあきらめないこと」。沖縄・辺野古のテントに掲げられた言葉を想起する。その言葉を体現する沖縄の人びとの闘いの勁つよさ――国家権力との全面的対峙、歴史認識の共有化、運動現場での大衆的な討議のありかたなど――に学びながら、この現実を闘いぬこう。
 いまの闘いを一過性のものにしないために、安倍政権を代弁人とした独占資本・支配層の攻撃と闘いつづけること、その攻撃の本質・全体像を階級的に分析することがわたしたち自身を鍛えるはずだ。
 いま、わたしたちは確信する。職場生産点、学園、地域といったみずからの足場で、隣人と現在の危機状況を共有化し、運動をつくること。足場の変革と反戦運動をつなぐことこそが、どんなに迂遠に見えようとも闘いを前進させる道であると。 <活動家集団 思想運動>常任運営委員会

(『思想運動』962号 2015年7月15日号)