国際婦人デー3・7集会に参加しよう!
世界の女性と連帯し貧困と暴力に終止符を 
              

「戦争への道」を突き進む安倍政権

 「戦争への道」を突き進む不気味な足音が一昨年より昨年、昨年より今年と、年を追うごとに強く大きくなってきている。
 安倍政権は、2014年7月に「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を強行した。この決定は、日本国憲法体制の基本的人権の尊重・人民(国民)主権・国際平和主義を基調とする戦後民主主義を踏みにじるクーデターであり、明白な憲法違反である。わたしたちはこれを絶対に認めない。
 安倍政権は、1月に起きた日本人人質殺害事件を利用し「在外邦人救出のための自衛隊派兵」ができるような法律の「改正」を言いだすなど、改憲の動きを速めている。来年夏の参議院選後に憲法改悪のための国会発議とその是非を問う国民投票を行なうことを画策している。
 このように、安倍政権はわたしたち人民を奈落の底に落とし込める反動政策を次々と行なっているにもかかわらず、NHKは「安倍内閣の支持率が54%にアップ」したと報道する(2月10日放送)。国民の半数以上が戦争体制に入ることを支持しているかのような報道であり、明らかな世論誘導である。
 麻生副総理が「ある日、気が付いたらワイマール憲法がナチス憲法にかわっていたんだよ。誰も気づかないで変わった。(憲法を改悪するために)あの手口に学んだらどうかね」と言った通りに、全面的な戦争国家体制づくりが着々と動き出している。
 わたしたちは、このような情勢のなかで今年の「国際婦人デー3・7東京集会」を開催する。1910年、迫り来る戦争を目前にして、クララ-ツェトキンをはじめとする世界の女性たちは、戦争の恐怖からの脱出、貧困と劣悪な労働条件の改善、男女平等の実現を求めて起ち上がった。わたしたちはその歴史に学び、世界の闘う女性たちとともにこの国際的な行動に連なりたいと思う。
 なぜ、安倍政権は「自民党新憲法草案・全面的な戦争国家体制」を推し進めようとするのか。なぜ、雇用を破壊する労働者派遣法の「見直し」を行ない、ホワイトカラーエクゼンプション=残業代ゼロ・過労死促進などの労働法制改悪を企むのか。なぜ、福島原発の収束のめどがたたないにもかかわらず、原発の再稼働を進め、アジア諸国に原発を輸出しようとするのか。
 そしてなぜ、「少子高齢化社会の到来で社会保障費がまかなえない」と年金や生活保護費を一方的に削っておきながら、来年度の防衛費を過去最大の五兆円とする予算を決定したのか。
 それらはすべて、独占企業が激化する国際競争戦の中で生き残るためである。安倍政権はそのために「武器輸出三原則」を撤廃し、軍需産業を成長戦略の中心にすえた。そして安倍自らが、独占の代表らと共に原発と武器売り込みのため、世界各国を行商人よろしく飛び回っている。安倍が訪問した国は50か国以上にもなるという。
 国内においては「世界で一番ビジネスをしやすい」環境を作り、自国と世界の資本家たちが思う存分に「稼げる」体制を作り出すために、労働法制の改悪・規制緩和を強行する。今国会で「2020年までに指導的な地位に就く人の3割を女性に」するための法づくり審議が再開したが、これは、一握りのエリート女性を生み出す一方、非正規で貧困にあえぐ圧倒的多数の女性たちとの、いっそうの二極化を進めるための施策であり、全女性の地位向上につながらない。

全面的な戦争体制づくりにNO!

 また安倍は「少子化を食い止め、今後の日本の人口を1億人に維持のするために出生率の目標を1.8にする」と言う。戦後70年を迎える今日において、またもやアジア・太平洋戦争の時のように「産めよ殖やせよ」とお題目を唱えるとは人民を愚弄するにもほどがある。
 子を産み育てたくても、20歳台の男女平均年収は200万円台前半、30歳台は300万円台という低所得状態では厳しいのが現実だ。低賃金で無権利な非正規労働者が全体で4割となり、女性は6割以上が非正規労働者だ。妊娠してもマタニティー・ハラスメントで退職に追いやられてしまう女性も後を絶たない。子どもを預けて働こうにも保育施設が見当たらず、働き続けられない多くの若い母親たち。これで少子化が解消するはずがない。
 さらに母子世帯の平均年収は181万円で相対的貧困率は58.7だ(OECDのなかで最下位)。貧困が若い層から高齢者まであらゆる層に蔓延している。
 戦争に突き進む政府が、労働者・人民を犠牲にしてさらに負担を強いる政策をとることは、過去においても幾度となく行なわれてきた。その攻撃を食い止めることができるのは、労働者人民が闘うことによってしかない。
 わたしたちが望むことは、女も男も希望する全労働者が正規労働者として働き、それを保障するための公的保育制度や社会的保障である。それが実現しなければ少子化も貧困も止まらない。そして最大の課題は戦争を止めることである。戦争はすべてのものを破壊する。戦争を止めるためにも、憲法を守り抜く闘いをおおくの仲間とともに進めなくてはならない。今集会でみなさんとともにそのことを確認したいと思う。
 「戦後70年」に照準を定めて右派勢力は、日本軍「慰安婦」問題を利用した『朝日』叩きに象徴されるように、日本の戦争犯罪を否定し戦争責任を追及する運動を封殺する攻撃を強めてきている。安倍が画策している戦後70年の「新談話」もこのような流れと軌を一にしている。わたしたちは、こうした動きにも断固反対する。来る集会で、中原道子氏に「戦争と『慰安婦』」をテーマに講演をしていただくのもそうした問題意識からにほかならない。
 2月5日に最高裁は、JAL客室乗務員の不当解雇を認めた東京高裁判決の見直しを求める上告を棄却した。今集会では、当該のJAL原告団からアピールがある。ほかに沖縄反基地の闘い、朝鮮高校裁判支援の報告も予定している。
 多くの方々の参加をお待ちしています。【村上理恵子】

(『思想運動』952号 2015年2月15日号)