<十月革命97周年記念集会ルポ>
映画と講演で十月革命の今日的意義を確認


 HOWS2014年後期開講講座である「ロシア十月社会主義革命九七周年記念映画上映と講演の集い」が、11月8日に68名の参加者を集めて、文京区民センターで開催された。司会の高木さんの挨拶に始まった集会は、ジガ‐ヴェルトフ監督のロシア・アヴァンギャルド映画の最高傑作『カメラを持った男』(1929年ソビエト)と山下勇男さんの講演によって、ロシア大革命の九七周年を祝った。
 映画は、67分間の映像と音楽のみの上映と知って、退屈するのではないかと危惧したが、最初から引き込まれた。それは、動きの速さが原因している。この動きは社会主義建設という未来にむかっての積極的な動きなのだ。働く人々の生活一般の描写から、カメラは、どんどん社会主義建設の現場に入り込んでいった。革命後の帝国主義の干渉戦争に勝利し、第一次五か年計画を遂行するソビエト・ロシアの現実が、カメラを持った男の眼を通してわれわれに迫ってくる。上映前の井野茂雄さんの解説にあるように、映像を通して「革命の真実を伝える」内容であった。ロシア・アヴァンギャルド芸術の幅の広さと奥の深さに驚かされた。
 HOWS事務局の広野省三さんから、後期HOWSの講座の案内があった。山下講演で、もっとも印象深かったのは、現代の資本主義は、寄生性と腐朽性が強まり、もはや国内外の労働者・人民への搾取・収奪の強化によってしか生き延びる道がない事実である。それらの政策は、資本主義の矛盾をさらにいっそう深化させていく。安倍との全面的な闘いは、憲法を護る闘いに集約されるが、その先に社会主義を見据えて、目的意識的に運動を構築していかなければならない。ここに、革命記念日を祝う意味がある。さらに安倍は、第二次世界大戦における日本の敗戦に報復を企てている。国連憲章の敵国条項をなくして常任理事国になろうとしている。労働者・人民の生存の条件すら維持できない資本主義、帝国主義戦争を必要としている資本主義に未来はない。
 今回は革命集会にふさわしい飾り付けが施された場所でゆっくり映画を見、講演を聞くことができた。上映された映画は、1929年に作られたが、この年は、資本主義世界では、大恐慌の年であり第二次世界大戦の始動期でもある。ここにも資本主義と社会主義の対比が鮮明に示されている。
 現代のあらゆる危機を乗り越えて、人類が解放されるためには、社会主義革命が必要だ。ロシア革命を祝うということは、革命の理論と実践を学ぶということであるとの思いを深くした集会であった。
【阪上みつ子】

(思想運動 947号 2014年11月15日号)