辺野古でのボーリング調査強行糾弾!
高江・辺野古の闘いに連帯を!
日米支配層の戦争策動を阻止しよう
沖縄北部の二地域で米軍基地建設阻止の闘いが果敢に取り組まれている。やんばるの森を破壊し、国頭郡東村高江区を取り囲むようにできるヘリパッドへの抗議の座り込みを国は通行妨害で訴えたが、不当判決を受けた高江住民とともに闘いは今日も昼夜をおかず続けられている。名護市辺野古では埋め立て前のボーリング調査に対し、キャンプ・シュワブのゲート前と海上での闘いが続く。海上ではカヌー隊の監視行動に対し、日米政府の勝手に決めた「制限区域」外でも、海上保安庁職員が「工事作業海域」なる新たな概念で根拠なくカヌーを排除し、カヌー隊を暴力的に取り押さえてカヌーを浜まで牽引していく。8月22日に頸椎捻挫させられた男性は、29日に海保職員3名を告訴した。辺野古の闘いも負けてない。目取真俊さんによれば、30日には50名による海上大行動が行なわれたそうだ(「海鳴りの島から」インターネットで配信)。
翻ってみれば、2月2日、安倍首相が第11管区海保本部の職員を激励。25年度補正予算で尖閣を理由に海洋巡視船六隻の新造費153億円を計上、「妨害行為を即座に排除するため」「キャンプ・シュワブ内に海上保安庁が拠点施設を確保」(産経ニュース3月7日)、「海保、辺野古妨害阻止へ全国部隊投入」(同6月3日)等、安倍政権が前回のボーリング調査を中止させた住民の非暴力闘争を恐れ、運動を潰す意思で海保を増強してきたことがわかる。
米国と米国の同盟国とともに堂々と戦争できる国づくりが、国民には密室のなかで、猛スピードで進められてきた。2012年12月の第二次安倍政権が発足するや、翌2月には首相を議長とする有識者会議を立ち上げて12月に国家安全保障会議(日本版NSC)を創設、国家安全保障戦略、そのもとでの新防衛計画の大綱と新中期防、防衛予算を審議して決定した。多くの反対の声にもかかわらず、同月6日には特定秘密保護法を強行成立させ、2014年7月1日には集団的自衛権の行使容認を閣議決定で強行した。法整備の一方、実戦面では今年に入ってからだけでも多くの日米合同演習が行なわれている。
1月、米カリフォルニアで陸自と海兵隊が水陸両用訓練(「アイアン・フィスト」)。2月、米タイ共催多国間合同演習「コブラ・ゴールド」で指揮所演習、医療支援活動、在外邦人等輸出訓練に参加。空自が日米豪「コープ・ノース・グアム」に参加。海自はニュージランドの太平洋掃海訓練に参加。3月、インドネシア主催多国間海軍合同演習「コモド」(海自)に、4月、タイ・マレーシア共催「ASEAN災害実動演習」(統幕)。6月、米蒙共催多国間合同演習「カーン・クエスト」(陸自)。6~8月の米海軍主催多国間合同演習「リムパック」で海自が対潜戦・対水上戦・対機雷戦訓練を、初参加の陸自は水陸両用訓練を行なった。7月には朝鮮半島南の公海上で横須賀配備の原子力空母J・ワシントンも参加する米韓海軍合同軍事演習があり、海自が救助訓練を行なった。また5年ぶりの日米印海軍合同演習「マラバール」が佐世保基地を起点に四国南方~沖縄東方海域で行なわれた。
『防衛白書』いわく、日米は民主主義、法の支配、人権の尊重、資本主義経済、世界の平和と安全の維持への関心を共有し、経済面の関係が深く、かつ強大な軍事力を有する米国との安全保障を基調としてわが国は平和と安全を確保してきたと。戦争は資本主義にとっては行き詰まりを打開する活路であり、資源確保のシーレーン死守のためにも必要なものなのだ。安倍政権の戦争国家づくりが進めば、ますます軍事演習が増え、武器が使われ造られる。われわれが働けば働くほど絞り取られた税金が、労働が、兵器となり兵士の糧となって他国の隣人を殺し、その国土と先人の築いた文化と命を守る環境、そして未来を破壊する。沖縄の反基地闘争はもう被害者にも加害者にもならないとの思いで、戦争の教訓を共有し、地域と全体が結びつき、裁判や大衆行動など多様な内容で連綿と続けられ、その蓄積が闘いの現場を支えている。まさに人民主権・基本的人権の尊重・国際平和主義の憲法三原則を実現させる闘いだ。日米安保が憲法の上位にある沖縄の状況を変えさせる闘いを構想することなしに壊憲は阻止できない。沖縄とともに敵の恐れる連帯をつくりあげよう。 【日向よう子】
(思想運動 942号 2014年9月1日号)
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