国際婦人デー3・9東京集会に参加を
イスラエルはジェノサイドをやめよ!
歴史的流れのなかで戦争を捉える視点を
反戦平和・女性の権利確立をかかげて、3月9日、わたしたちは今年も国際婦人デー集会を開催する。
20世紀は戦争の世紀と言われたが、21世紀になっても戦火がやむことがない。1990年前後のソ連をはじめとした社会主義体制の倒壊によって、アメリカは一元的世界支配のチャンスを得、その野望の障害となる国家や勢力に戦争を仕掛けていった。とりわけ21世紀最初の年、2001年9月1日の「同時多発テロ」以降、アメリカは、西側同盟国とともに、「テロとの戦い」「人道的介入」を前面にかかげ、アフガニスタン、イラク、リビアなど世界各地で侵略戦争、帝国主義戦争を行なってきた。この歴史的流れのなかで、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が起こり、2023年10月には、「ハマスのテロに対する自衛」を口実としたイスラエルのガザ攻撃が始まった。この2つの戦争はいまだ収束の見通しが立たない。それどころか、中東では、戦火はイエメンやレバノン、シリアなどパレスチナ以外の地域にも拡大している。
なぜ戦争が起こるのか、なぜ終わらせられないのか、あまたの見方があるだろうが、いずれにせよ、「領土拡大をもくろむ独裁者プーチン」、「テロリストのハマス」、といった単純なくくりではなく、歴史的経緯を多面的に見ないと情勢を見誤ることになる。
今現在イスラエルが行なっていることは、パレスチナ人民をガザ地区から完全に追放し抹殺するためのジェノサイドだ。国連女性機関は、ガザ地区の死者の約7割が女性や子どもだと指摘している。イスラエルの「自衛」という欺瞞は誰の目にも明らかだ。一般市民、女性や子どもの命を奪う野蛮な虐殺をすぐにやめさせなければならない。
戦争を止める役割を国連に期待する声もあるが、国連安全保障理事会では常任理事国に拒否権がある。アメリカは安保理でガザ停戦決議案に繰り返し拒否権を行使している。また、ロシアとウクライナの和平協議の契機を米英が潰したのも明らかになっている。
バイデン大統領は、イスラエルやウクライナへの軍事支援を「投資」と言ってはばからない。ブリンケン国務長官は、「米国のウクライナ支援の90%は国内で使用され、地元企業や労働者の利益となり、軍と米国産業に利益をもたらしている」と語った。米軍のもつ古い兵器をウクライナに供与し、国内で新しい軍備を装備する。同様に欧州諸国のもつ旧式軍備をウクライナに拠出させ、新しい米国製武器の輸出契約を結ぶ。米国内の軍需産業は大いに潤うという図式だ。すでに日本もアメリカ製の大量の武器等を購入させられている。事故が絶えないオスプレイを購入しているのはいまや日本だけだ。
戦争は儲かる、その上、戦争が続くことによる心理的影響も絶大だ。労働者・人民は、「防衛が必要だ」という政府や財界の言い分に騙され、軍事費の大増額やそのための増税に反対をしなくなる。
人民は豊かで平和な暮らしを求めている
人びとが幸せに生きるためにこそ産業や経済活動があるはずなのに、それが逆になってしまっている。大国のごく一部の層の経済的な繁栄のために、世界中の労働者・人民が搾取されている。平等に分け合えばすべての人が飢えずに生きていけるだけのものがあるのに、上位1%の富裕層が世界の資産の半分を独占している。そして、貧困と格差は確実に日本に生きるわたしたちの問題だ。日本の労働者の約4割は非正規労働者でその多くが低賃金で働かされている。とくにシングルマザーをはじめ女性の困窮ぶりは目を覆うばかりだ。子どもの7人に1人が貧困状態であることも明らかになっている。
マスメディアでは、株価がバブル期並みの高値をつけたことがあたかもわれわれにとってもっとも大きな出来事であるかのような報道がされている。経済状況を話題とするのであれば、人びとが豊かに暮らせるかどうかが一番のテーマであるはずなのに。日本でも「命よりカネ」がまかり通っている。政治家の裏金問題も明らかになり、金権腐敗政治が極まっている。
辺野古では、沖縄県民の意思を踏みにじり、国が代執行により大浦湾での軟弱地盤工事を強行し、新基地建設に邁進している。琉球弧の島じまにミサイル基地を増強し、中国・朝鮮の脅威や台湾有事を煽って、人民の命をかえって危険にさらしている。日本政府は戦争をしたいアメリカに追随しているのではない。日本が軍産複合体を作り、自らアジアで戦争を起こそうとしているのだ。
命を脅かす原発をなくそう
今年の元旦に北陸地方を襲った能登半島地震。石川県志賀(しか)〔ルビ:しか〕町にある運転停止中の志賀原発、原子力規制委員会は「大きな異常はなし」と発表したが、外部電源の一部を喪失し、変圧器からの油漏れや核燃料プールの水漏れもあった。また、志賀町よりも北に位置し、今回の地震での被害が大きく報道された珠洲市には、過去に中止された原発建設計画があった。もし原発が実際に建設されていたら大事故になっていた可能性が高い。地震大国ニッポンに、安全に原発を動かせる場所などあるものか。そもそも安全な原発というのが論理矛盾だ。政府は原発活用に舵を切った政策を改めるべきだ。経済優先の日本は、すでに人民の命を危険にさらしている。大阪万博や軍事費増額はいますぐ凍結して、その財源は災害復興支援と人びとの生活を守ることに充てるべきだ。
いまこそ連帯して闘おう
どこまでも、際限なく利潤を追求する資本主義社会のありようが、社会的弱者を苦しめ、世界中の環境破壊・貧困そして武力衝突を招いている。戦争を終わらせるのは、政治家でも資本家でも国際機関でもない。世界中の労働者・人民が連帯して戦争反対の声をあげよう。ひとりひとりの声は小さくても、わたしたちにはその力がある。集会では『朝鮮新報』政治部の金淑美さんから特別報告として、「朝鮮半島・沖縄からの平和構築」についてお話していただく。労働現場や闘いの現場からの報告も予定している。ともに闘い、反戦・平和の声をあげよう。
【国際婦人デー3・9東京集会実行委員会】
(『思想運動』1097号 2024年2月1日号)