『国際主義――国際政治資料と理論研究誌』第六号刊行
プロレタリア国際主義の旗を掲げて       
 

 二〇二〇年六月から刊行している『国際主義』は今回で第六号となる。今号では、ロシア十月社会主義革命一〇五周年記念集会における藤原晃さんの職場での奮闘を語った基調報告「わたしたちはなぜ社会主義をめざすのか」を巻頭に置きつつ、世界史的な展望のなかで朝鮮の社会主義建設を語る崔権一さんと、日中間の平和を求めて現在の日本の軍拡を批判する岡田充さんにご寄稿いただいた「現在の東アジア情勢を考える」(特集=1)。そして、本誌翻訳陣による「第二二回共産党労働者党国際会議」(特集=2)という二つの特集を軸に誌面を構成した。それを中心にモロトフ・リッベントロップ協定にまつわる反共主義の神話を批判するニコス‐モッタスの記事、アフリカにおける過去と現在の帝国主義(独占資本による収奪)への細やかな分析を提供するデンバ‐ムサ‐デンベレの論文、昨年の日中共同声明五〇周年をめぐる大村歳一さんの報告、日本共産党の転向の歴史的経過を詳細にたどる山下勇男さんの論文を配置したかたちである。
 われわれも含む世界のプロレタリア国際主義の課題は、こんにちにおいても依然として、核戦争による地球規模での階級共滅の危機を克服しつつ、帝国主義を廃絶して、資本主義から社会主義への全世界的移行をいかになしとげるか、にある。
 そこでは資本主義諸国における職場生産点に足場を置いた階級的な労働運動そして資本主義的生産関係(所有関係)そのものの廃絶をめざす革命運動、すでに社会主義革命を実現した国での社会主義の建設と発展をめざす試み、植民地・従属国でたたかわれる反帝民族解放闘争、社会主義や反帝自主を掲げる諸国の自律的発展への道を圧殺しようとする帝国主義の戦争政策に平和を強制するための人民諸階層の取り組み、現存社会主義国の共産党とも協働して開催される共産党労働者党の国際連帯会議、そのいずれもが必要であり、これらの力の綜合によって未来は切りひらかれるのだ。それは星座を形づくる星々の関係に似ている。
 本誌編集委員会は、現代世界のこの理論的実践的根本課題をまっすぐに見すえつつ、その方向のもとでの運動の再生に、ここ日本において微力ながらも寄与すべく『国際主義』第六号を編集した。今号に収録した各論稿は、それぞれ別々の仕方ではあるが、現代世界のこの根本課題と結びつこうとするものだ。読者のみなさんは、『国際主義』第六号の各論稿をつらぬく通奏低音として、資本主義的・帝国主義的な近代という現にある野蛮との対決という、個別課題を綜合するモチーフを見出すことができるだろう。
 むろん、そのなかにはさまざまな理論的な対立があり、読者のみなさんもけっして些末な問題ではないそれらの対立に気づかれるに違いない。しかしながら、対立は分裂と同じではないし、そうであってはならない。今号に収録した第二二回共産党労働者党国際会議の「閉会あいさつ」において、キューバ大統領のミゲル‐ディアス=カネルがセクト主義を批判して言ったように、分裂はつねに反動的な諸勢力に利益をもたらすだけなのである。これに対して、われわれがめざすのは対立物が対立しながらも協働して現代世界の根本課題へと結節していく統一戦線である。
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 【『国際主義』編集委員会】