ロシア十月社会主義革命一〇三周年記念集会を開催
社会主義、それは人民の全面的政治参加だ                         

 十一月七日、一三時三〇分より、「ロシア十月社会主義革命一〇三周年記念集会」が、東京文京区民センターで開催された。十一月七日開催は、ロシア革命成功の日と同じ日付だ。
 〈活動家集団思想運動〉常任運営委員会責任者・HOWS事務局責任者である広野省三が、「社会主義、それは人民の全面的政治参加だ」と題する報告をおこなった。以下は、その要旨である。

主催者挨拶

 COVID―19新型コロナ感染症の世界的拡大のなか、日本でもインフルエンザとの同時拡大が危惧されている。政府は、経済を優先し、人民への自粛の強要を推し進めている。わたしたちは、労働・生活・健康を守る闘いを緩めてはならない。アメリカの影響力が低下するなか、中国の政治経済の台頭がはっきりしてきた。
 資本主義は、資本家が権力を持ち、生産手段の私的所有、搾取の自由、財産権の保障を基本としている。金儲け、競争、個人主義、ブルジョワ・イデオロギーを基本とする。社会主義では、労働者階級人民が権力を持ち、生産手段の社会的共有、搾取の否定が基本である。金儲け第一主義を否定し、人民生活の向上を第一とする集団主義を基本とする。プロレタリア・イデオロギー(国際主義・共産主義)に基づく教育・宣伝が行なわれる。日本では、反政府運動の指導部の間でも、階級闘争なかんずく権力の問題が避けられている。安倍・菅独裁政権に反対する闘いでは、自由、民主主義、平等、平和、人権を対置した闘いが主流である。ブルジョワ規範すら守らない政権にそれを守らせる闘いは重要だ。しかし、わたしはレーニンが言うようにそうした価値観は「資本の抑圧からの労働の解放と矛盾するなら、それは欺瞞だ」と考える。
 中国では、COVID―19を押さえ込むことに成功した。朝鮮民主主義人民共和国では、米日韓の核攻撃を想定した合同軍事演習に対して、全土防衛体制を敷いている。大きな負担のなか人民は社会主義建設に邁進している。キューバでは、COVID―19の防疫のため全世界へ医師派遣を行なっている。国内医療は無料の上、完備されている。さらにキューバでのCOVID―19の感染者は、メキシコの二七分の一、ブラジルの七〇分の一である。新憲法の採択においても、徹底した人民の議論が組織されている。これら中国・朝鮮・キューバに共通する思想は、「二度と植民地にはならない」である。
 日本国内の闘いについては、沖縄県民の反戦平和の闘い、在日朝鮮人の反帝国主義教育を守る闘いがある。また、関西生コン労組へは、容赦ない攻撃が仕掛けられている。それは、かれらが生コン業界の支配に食い込む闘いを展開しているからだ。これらの運動と連帯することが重要だ。闘いにおける代議制民主主義と選挙第一主義については、労働運動、大衆的反政府運動を基礎とすることが大切である。職場、生産点の闘いが、階級闘争の拠点である。運動内部の相互討論・相互批判こそが、共同闘争を発展させる。人民主権の担い手を形成し、階級意識を形成させることこそが、いま求められている。

映画上映

 映画『チャパーエフ』は、ドミートリー‐フールマノフが書いた体験的記録文学である小説『チャパーエフ』を基としてつくられた映画である。
 文化活動家である井野茂雄が、映画の解説をした。一九一七年十月二十五日(旧暦)の革命成功後も続いた反革命軍(白軍)との戦いを描いた作品である。内戦は一九二〇年まで続くが、一九一九年三~十一月は、もっとも厳しい時期であった。解説者は、資料に載せられた「チャパーエフ師団の白軍討滅戦図」を説明、東部戦線での赤軍・白軍の戦いを解説した。
 映画には、チャパーエフが、チャパーエフ師団に党から派遣されたコミッサールであるフールマノフ(小説『チャパーエフ』の著者)との出会いと協働によって、成長していく過程が描かれている。兵士が、赤軍によって解放された村の農民から、豚を奪う。この事件をめぐって、チャパーエフとフールマノフが対立する。チャパーエフは、フールマノフに「おれの師団から出ていけ」と言う。フールマノフは、「解任できるのは、党だけだ」という。チャパーエフ師団が、赤軍の一師団となった瞬間である。戦闘場面では、草原で整列して進軍してくる白軍(連合軍)に対し一人一人が迎え撃つ赤軍、ここにも赤軍の革命防衛隊としての意識の高さが認められる。
 フールマノフが次の任地に出発し、手薄となった師団に白軍が大部隊で夜襲をかけてくる。応戦するも多勢に無勢で退却を余儀なくされ、チャパーエフは渡河の途中崖の上から撃たれて戦死する。応援に駆けつけた赤軍によって陣地は奪還された。映画には、革命軍の意識性と規律の問題、白軍の下級兵士と赤軍兵士との交歓、社会主義の未来を夢見た恋人の戦死などが描かれていた。
 本集会に寄せられた「在日本朝鮮人総聯合会中央本部」・「韓国・労働社会科学研究所」・「フィリピン共産党(PKP―1930)」・「ギリシャ共産党」・「駐日キューバ共和国大使」・「駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使」からのメッセージが読み上げられ、最後に「インターナショナル」を斉唱して集会は終了した。
 【阪上みつ子】