5・15緊急街頭行動での発言から
「金儲け第一主義」を許さない!

 わたしは連日の「コロナ報道」にうんざりし、無策な安倍政権に対し怒りを覚えながら毎日を過ごしています。皆さんはいかがでしょうか。わたしの家にはまだ「アベノマスク」は届いていませんが、四六六億円もかけたというあのマスク配布はいったい誰のためだったのか。マスクまで安倍政権と関係が深い企業の利権がからんでいる。この政権はどこまで腐っているのでしょうか!
 ほとんどすべての学校、保育施設が休校・休園になっていることについても「教育を受ける権利をないがしろにするな!」と訴えたいです。そしてあろうことか「九月入学」案なるものも出てきた。現場の教員や子ども、親たちを蚊帳の外に置いて、本当に主権者をバカにした話です。
 学校の休校は、子どもに関わる仕事をしている労働者にも影響を及ぼしています。わたしの友人の学童保育の臨時指導員は、緊急事態宣言で親が家にいて子どもの利用が減ったことを理由にシフトから外されました。この賃金で生活を支えていたので本当に苦しいと言っています。児童館で働いている別の友人も「指導員が半分解雇される、自分もそうなるかも」と心配しています。立場の弱い非正規が真っ先に首を切られるのです。
  緊急事態宣言は、憲法で保障された移動の自由、集会の自由などの権利を制約します。なぜ延長しなければならなかったのか。なぜウイルス感染は収束に向かわないのか。政府がPCR検査を広範囲に行なわなかったからです。熱が出て検査を受けたくても「自宅待機」と言われ受けられない人が沢山います。先日、二八歳の若い力士がコロナで亡くなりました。かれは四日間病院をたらい回しにされ亡くなったのです。日本のPCR検査数は世界的に見ても非常に少ない。そのためコロナ感染の実態を正確に把握できないし、実態に基づく的確な対策も立てられないのです。 安倍政権は多くの感染者が診療を受けに来ると「医療崩壊」が起きると言います。しかし「医療崩壊」をまねくような国にしたのは誰ですか? 歴代の自民党政権です。一九九六年には九七一六床あった感染症患者を収容できる病床は昨年には一七五八床と、実に八割以上の削減。また一九九二年には全国で八五二か所あった保健所が昨年は四七二か所、半数近くになりました。歴代の政権による医療制度改悪の結果です。人の命よりも金儲けが第一、これが安倍政権や小池都政の本質です。現に小池知事は、都立病院の独立行政法人化を狙って都議会で審議を進めています。
 休業補償がないことも許せません。一〇万円の給付金では生活支援策としてまったく不十分です。先ほどの学童保育の友人は、病気の父親を抱えて「一〇万円なんてすぐ消えてしまう」と嘆いていました。
 先日、これぞ「監視社会」だと思う場面に遭遇しました。 わたしの友人が、地下鉄の「優先席」に座ろうとしたとたん三〇代の若い男から「なんでマスクを着けずに電車に乗るんだ!」と怒鳴られ、警察に通報されてしまったのです。そうして駅をおりたとたん三人の警官がかけつけて来たのにはびっくりしました。子どもが公園で遊んでいるだけで、警察に通報されたという報道もあります。
 「監視社会」といえば、関東大震災の際に流言飛語によって朝鮮人虐殺が行なわれ、その後に治安維持法が制定された歴史があります。コロナ対策を利用した監視社会化の動きを絶対に許してはなりません。恐怖の実態を正しく見極め萎縮することなく抵抗を続けましょう。 【村上理恵子】

(『思想運動』1053号 2020年6月1日号)