GSOMIA問題
朝鮮半島と東アジアの平和構築を求めて

国際的視野で国内反動と闘おう

 十一月二十二日午後六時、韓国政府は二〇一六年に日韓間で結んだGSOMIA(軍事情報包括保護協定、一年ごとに自動更新、破棄する場合は九〇日前までに相手国に通告、韓国政府は今年八月二十二日に破棄を決定し日本政府に通告していた)の破棄通告の効力停止を発表した。GSOMIA失効が六時間後に迫ったなかでの決定であった。
 韓国政府はこれと併せて、日本政府が取った輸出規制措置強化に対抗するWTO(世界貿易機関)への紛争解決手続きの中断も表明した。日本政府は、この韓国政府の発表を受けて輸出規制措置の見直しをめぐる日韓協議を始める方針を示したという。
 韓国政府がGSOMIA終了を表明した当時、われわれは本紙二〇一九年九月一日号で次のように主張した。《われわれ日韓の労働者階級と人民にとってGSOMIAなどは破棄されて当然、朝鮮半島と東アジアの平和に何の役にも立たないばかりか、阻害要因でしかない暴力装置だったのだ。その思いは、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の労働者階級・人民も同じであろう》と。その考えはいまも変わらない。それは取りも直さずこの戦争協定が、朝鮮や中国の軍事動向とりわけ核兵器や長距離ミサイルさらに高位級要人の動向に関する情報の共有と、それをつうじた米軍を頂点とする米日韓三角軍事同盟の連携強化に置かれているからである。
 韓国政府がとったこの度の行為は、南北朝鮮の首脳間で取り交わした昨年の4・27板門店宣言や九月平壌共同宣言の精神に背反するものである。
 しかし問題の発端は、昨年十月三十日に韓国大法院が新日鐵住金に下した戦時強制動員被害者への賠償を命ずる判決に、日本政府が「日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決されたこと」と土足で踏み込んできたことにある。戦時強制動員被害者と戦犯企業間の訴訟に対し、侵略国家が横ヤリを入れてきたのである。だが日本のマスメディアの報道ぶりをみると、天皇を頂点とする日本帝国主義の侵略・植民地支配責任には触れず、また南北朝鮮人民が「売国協定」「戦争協定」「第二の乙巳条約」と指弾するGSOMIAも在あ って当たり前、文在寅政権の「迷走」ぶりを迷惑顔で揶揄するエセ知識人たちの放言であふれかえっている。
 このような状況のなか、さる十一月二十日に日韓の法律専門家が「強制動員問題に関する日韓法律家による共同宣言」を発表した(左に掲載)。戦時強制動員被害者を尊重し、問題の解決を図ろうとする共同宣言である。
 さらに眼を世界に転じると、インド共産党(マルクス主義)の機関紙『ピープルズ・デモクラシー』十一月三日付は、トルコで今年十月に行なわれた第二一回共産党労働者党国際会議(IMCWP)の概要を報道する記事のなかで以下の決定を紹介した。《第二二回IMCWPは二〇二〇年の末までに朝鮮民主主義人民共和国の平壌で開催されることが決まった。合衆国帝国主義がアジア太平洋地域に注意と活動を集中させており、第二二回IMCWPには特別な意義がある》と。われわれは毎年、この共産党労働者党国際会議の内容を本紙ならびに姉妹誌『社会評論』誌上で紹介することに努めてきた。
 そして、来年の共産党労働者党国際会議は平壌で開催されるというのである。全世界の共産主義者とその支持・協働者の耳目が平壌の国際会議に集中される。われわれは、これを引き受けた朝鮮労働党に高い敬意を表明するとともに、そこで討議される内容が必ずや朝鮮半島と東アジアの平和構築、そして沖縄をはじめとする日韓の米軍基地撤去に大きく寄与するものと期待する。国際的・階級的・歴史的な視野をもって、国内に吹き荒れる反動の嵐に抗っていこう! 【土松克典】

(『思想運動』1047号 2019年12月1日号)