国際婦人デー東京集会開催 戦争反対! 声をあげよ、そして行動へ!
〈集会ルポ〉
原則に則って生きよう

 三月九日、文京区・男女平等センターにて国際婦人デー3・9東京集会が開催された。集会開始時刻にはほぼ満席、プログラムが進む中でさらに参加者は増えていく。国際婦人デー実行委員会によるこの集会は第四一回目だが、この集会の主張に対する信頼と認知度の高さを感じさせられる。司会の友田幸枝はメインテーマ「戦争反対! 声をあげよ、そして行動へ!」を読み、こんにちの日本と国際状況を踏まえて、とりわけ日本(人)の歴史認識・国際感覚を問われる中で開催していることを強調した。
 基調報告は実行委員会を代表して倉田智恵子が行ない(本紙付録に掲載)、天皇制批判についての特別報告は中原道子さん(「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター VAWW RAC共同代表)にお願いした(別掲参照)。二つの報告は集会の方向性を確定させるものであった。

宋知香さんの歌声

 一五分の休憩のあと、朝鮮大学校研究院の学生・宋知香さんがギターを抱えて登場した。ソプラノの声が響きわたると会場の人びとは拍手で迎え、「ホルロアリラン(一人のアリラン)」という祖国統一の願いを込
 めた歌に聞き入った。宋さんは音楽研究や南北朝鮮統一のための音楽活動を行ない、歌も「イムジン河」と高校無償化適用要求デモで歌う「声よ集まれ歌となれ」を歌った。美しい歌声の間のトークでは、まる八年家族と共に無償化に関わってきた生活が語られ、さらに歌に迫力がこもる。友だちのだれもが経験した差別を語り合い、自分たちには平和のために生きる使命があるとの思いに至ったという。
 無償化運動を続ける家族、友だちや後輩の行方を見つめて若々しく力いっぱい歌い上げた。あとに続く「闘いの報告」も宋さんの歌に呼応するものとなった。

最前線の「闘いの報告」

 朝鮮高校無償化適用要求運動の中心を担う森本孝子さん、ユナイテッド航空不当解雇撤回闘争団の浜田リエさんと吉良紀子さん。沖縄反基地運動の青木初子さん(三者の発言は別掲要旨を参照)に続いてHOWS受講生で「島ぐるみと埼玉をつなぐ会」の大舘まゆみさんが現地闘争の参加報告を行なった。高江、辺野古の反基地闘争に関わり、最近は闘争の最前線、カヌー隊に参加している。大舘さんは左手壁面いっぱいに「辺野古の海を土砂で埋めるな! 戦争につながるすべてのものを拒否する!」と書いたステッカーと全紙大の白紙一〇枚に最近の情報を貼り付け、ジュゴンがゆったりと泳ぐ写真などをそえて新基地建設反対の意思をアピールした。カヌーに乗ると何十台、何百台ものダンプカーによって土砂が海に投げ込まれるのが見えるという。大舘さんは駅頭でチラシを配り、一人でも多くの人に事態を知らせよう、泳げなくても短時間の訓練教室でカヌー隊に参加できるとよびかけた。
 「被曝労働を考えるネットワーク・あらかぶさん裁判を支える会」の中村泰子さんは、まず裁判を支える賛同人を求めた。あらかぶさんは福島第一原発の収束作業や玄海原発で働き、白血病になって労災認定は受けたが、下請け労働者には労災を超える損害賠償(未払いの就業保証金や慰謝料)がない。これは承知できないという裁判である。一〇〇ミリシーベルト以下の環境は健康被害との因果関係は認めない国の意図に添った判決を下させてはならない。政府は四月から施行される「改正入管法」で、外国人を受け入れさまざまな職種の下請け労働者拡大も検討している。下請け労働者が声を上げられない現状をかえなければならないと訴えた。
 熱気のうちにプログラムは終盤を迎え、ベネズエラに対する反革命策動が強まる情勢をふまえた「ベネズエラ連帯緊急決議」(付録に掲載)は拍手で承認された。フィリピン共産党書記長アントニオ‐E‐パリス、駐日キューバ共和国大使カルロス‐ミゲール‐ペレイラ‐エルナンデス、在日本朝鮮民主女性同盟、在日韓国民主女性会、韓国・労働社会科学研究所運営委員会等世界各国の大使、労働者党、組織から連帯のメッセージ(付録に全文掲載)が届いていると報告された。集会後例年のように集会横断幕を先頭に、大きな赤い横断幕を掲げて元気にデモに出発した。【古賀 圭】

(『思想運動』1039号 2019年4月1日号