辺野古現地の阻止闘争、県民投票
勝利の闘いを全力で支援しよう!
玉城デニー氏の沖縄県知事選大勝に示された辺野古基地建設反対の民意を乱暴に踏みにじる形で、辺野古沖への土砂投入が続けられている。沖縄防衛局は現在行なっている区域の南西側にも三月から新たに土砂を投入すると県に通告してきた。このなりふり構わぬ工事の強行によって、安倍政権は、二月二十四日の辺野古沖埋立ての是非を問う県民投票、四月の衆院沖縄三区の補選、さらに七月の参院選の前に、できる限り広い区域を埋め立て、県民に「反対しても手遅れ」との意識を植え付けようとしているのだ。
しかしこうした強硬姿勢は裏を返せば政権側の危機感、何よりも県民の一歩も引くことのない反対運動に対する恐れ、工事の先行きが見通せないことへの焦り(埋め立て予定地に存在する軟弱地盤問題への対応など)の現われである。
昨年十二月の土砂投入開始以降も、辺野古現地では陸と海とで文字どおり体を張った阻止行動が続いている。また国内外の著名人も参加した米政権への請願署名も展開され、一か月で二〇万筆を集めた。
そうした中、政権寄りの五市( 宮古・宜野湾・沖縄・石垣・うるま)の市長が、正当な手続きを経て実施が決まった県民投票に不参加を表明、有権者(五市で三一万人)の投票権を奪うことになる不当・違法な行動に出た。そうした動きを自民党の国会議員が直接指導するなど、政権側の露骨な介入も明らかになった。こうした策動に対し、五市では、市民や労組が市長への抗議行動や署名運動を展開し、県民投票への参加を迫っていった。
その後、事態は動く。一月二十四日の県議会各派代表会議は、県が示した、「賛成」「反対」の二択(当初案)に「どちらでもない」を加えて三択とする条例改正を野党も含む全会一致で確認した。県民投票の条例請求者の「『辺野古』県民投票の会」もこれを受け入れた。
そして二十九日の県議会は、改正案を賛成多数で可決した。しかし自民党議員の一部が造反し、全会一致とはならなかった。五市の投票参加については、まだ予断を許さない状況が続く。
作家の目取真俊氏は、一月二十五日のブログで、この日の朝ゲート前の座り込みにわずか十数人の参加しかなかったことに触れ、「前日から県内の新聞、テレビは県民投票が3択で全県実施になった、と大騒ぎなのだが、実際に埋め立て工事が行なわれている現場とのこの落差は何なのだろうか」「県民投票を有利に運ぶために、沖縄防衛局はこんなに工事が進んだと見せつけたいのだ。埋め立てが進めばあきらめムードも広がる。圧倒的な反対票を集め、県民投票を成功させようと思うなら、現場での盛り上がりが必要だ」と訴えた。
また「全県実施という当たり前のことですら、これだけの混乱を強いられ、違法行為を犯した5市の市長は責任を問われることなく、結果は3択という形で彼らが要求した形になりつつある」とも指摘している。
「混乱を強いている」のは誰か。埋め立て工事強行で基地建設の既成事実化を進め、卑劣な策動で反対運動の分断・弱体化をもくろむのは誰か。
安倍政権であり、安倍の「あそこのサンゴは移している」などという嘘八百を平気で垂れ流すNHKをはじめとする本土のマスメディアであり、日本政府の背後にあるアメリカ帝国主義だ。
今もっとも求められているのは、日本人民全体がこの問題を主体的に受け止め、こうした勢力との闘いに参加することである。
基地建設阻止の現場での闘い、県民投票を勝利させる闘いへの支援・参加を訴える。【大山 歩】
(『思想運動』1037号 2019年2月1日号)
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