辺野古埋立てを断固阻止しよう!
恒久平和を希求する沖縄


 沖縄県の各地で沖縄戦の犠牲者を悼む慰霊祭が営まれた六月二十三日の「慰霊の日」、糸満市摩文仁の平和祈念公園では沖縄全戦没者追悼式が開催された。
 式の「平和宣言」で翁長知事は、わたしたちは沖縄戦の「悲惨な体験から戦争の愚かさ、命の尊さという教訓を学び、平和を希求する『沖縄のこころ』を大事に今日を生きて」いるとし、それにもかかわらず戦後七三年たっても米軍専用施設が沖縄に集中し、県民が基地から派生する事件・事故・騒音等に苦しみ、悩まされている現状を訴えた。
 また米朝首脳会談に触れ、「平和を求める大きな流れの中にあっても」二〇年以上前に合意した辺野古移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策かと問い、「『辺野古に新基地を造らせない』という決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません」と明言した。現地では、八月十一日に辺野古への土砂投入に反対する県民大会が開かれる。
 われわれは翁長知事の「宣言」を支持する。同時に、「できることはすべて行なう」、「沖縄の基地負担軽減に全力」を尽くすと言いつつ、実は辺野古の埋め立て、新基地建設を強弁し、米軍基地の危険性を放置する欺瞞に満ちた首相安倍を、そして沖縄の人びとの願いを踏みにじり、基地を押し付ける人権蹂躙の戦争屋たち、政府与党・安倍政権を断固、糾弾する。
 基地そのものの危険に増して、米日本政府の米軍優先の基地の運用や、情報隠蔽がよりいっそうの危険を招いている。
 F 22 ステルス戦闘機の暫定配備と緊急着陸、早朝飛行、騒音激化。米空軍オスプレイCV22の嘉手納基地への自治体への通告もなき初飛来。嘉手納基地所属のF15戦闘機の沖縄本島南沖への墜落、原因究明なしでの二日後の同型機飛行再開。キャンプ・シュワブの実弾射撃訓練施設からとみられる流弾の、民間地への着弾(海兵隊は認めていない)。
 半年前には保育園と小学校への普天間基地所属の大型輸送ヘリによる部品、窓枠落下事故が起きたが、いまもヘリやオスプレイが上空を飛び交い、米軍機接近のたび子どもたちが避難させられている。
 日本政府は、中国・朝鮮の「脅威」を煽って「平和」や「防衛」の名の下に日米一体で軍事強化するのをやめよ。米軍基地を撤退させ、自衛隊を縮小、軍隊をなくしていくことこそが真の平和に向かう道だ。【日向よう子】

(『思想運動』1025号 2018年7月1日号